楽園にある秘密の泉へ

さて遊びながら漕ぐこと約5時間。スタートからは見えなかった島の真裏の浜に到着。

今回はここがこの旅の最終目的地となる。ここでお昼を食べたり、島内を散策したりのんびり過ごす。ハイウェイから10キロぐらいしか離れていないとは思えないぐらい、穏やかな世界が広がっている。

このビーチには流木で作られたテーブルや椅子などがあり、秘密基地感が満載だった。
楽園を満喫中のみんな。僕たちはサンドイッチとおにぎりを持っていった。

「実は近くにあるけどなかなか気づくことができない贅沢なこと」の象徴的体験だ。ここでハンモックに揺られながら昼寝なんてどうだろう。星を眺めながらキャンプをするのも待ち遠しい。

楽園から見える景色の一部。
島内を散策。サルノコシカケと苔に覆われた名もない大木
ソフィアの意向もあり詳細は書けない秘密の泉。プールみたいな真ん丸な形をしていた。この奥には小さな滝がある。
もしいつかInhabit tour企画なんかが実行できたら、この場所に誰かを連れてこれたらいいな。Photo by Sophia

こうして束の間の楽園を満喫した僕たちは、名残惜しさ全開で普段属する世界へと漕ぎ戻ることに。
その途中、そうまさに3時半ごろ。聞いていた通り本当に風が強くなって来て笑ってしまった。
「自然気象は読めないもの」というのは現代人の思い込みで、昔の人が聞いたらそれこそ大笑いするかもしれないな。なんて考えながら、少し荒れる海面を疲労が溜まる腕に力を込め最後のパドリングを楽しんだ。

そして元の入江に上陸。今朝とは打って変わって、夕方4時を過ぎたPorteau Coveにはたくさんの人が押し寄せていた。カイトサーフィンをする人にビーチでのんびりするカップル、水辺でははしゃぐ子どもたち。こうして僕たちは完全に日常に戻って来たことを確信したのだった。

実はこの旅以来よくこの場所に泳ぎに行っている。

同じ日の朝と夕方、1日の出来事とは思えない体験だった。日帰りでこんなにも別の世界に迷い込むことができるシーカヤックの旅を、本当に多くの人におすすめしたい。飛行機に乗って違う国に行き、その違う国で既知のブランドの製品や似たようなモールで買い物するよりも多くの新しい経験ができるだろう。「どこにいくか」も大事だけど、それと同じくらい「どう旅をするか」も大切だ。そんなことに改めて気づかせてくれた旅。と僕はこんなことをこの度から考えた。

この美しいミルキーブルーの湾であなたは何を感じるだろうか。ぜひそれを自身で確かめてほしい。もちろん、安全管理は忘れずに。


コースタイム参考

写真のミルキーブルーは肉眼で見れるそのままの色に近い。
コースタイム参考】
AM6:00 Porteau Cove Marine Parkスタート。
PM 4:00 Porteau Cove Marine Parkゴール。 
走航距離:30km
総パドリング時間:6-7時間。 
スタートから対岸まで:約1時間30分。
対岸から目的地のDouglas Bayまで:約2時間。
帰りはAnvil Islandを左からでも右からでも回れる。
今回のコースだと帰りは約2時間半だった。
※潮の流れ、風により大幅に変わるのであくまでも参考にしてください。

カヤックを借りたお店
Valhalla Pure Outfitters 
当日でも空きがあれば借りれます。オンライン決済のみ。