秋の味覚を5日間ほどかけてお酒にインフューズ

今回はカナダ西海岸の森で採れた白松茸を使ったカクテルを紹介。

インフュージョンテクニックはアルコールの中にその時々の食材や薬草を漬け込むことで、まるで魔法のように季節の風味を瓶の中に閉じ込めることができる方法で、一度覚えてしまうとやみつきになる。

メインとなるお酒には今回は僕が働いている蒸留所で作られた「Iron Budda Gin」というジンをチョイス。ジンのメインボタニカルである、ジュニパーベリーには松茸を思わせるパイニーな香りがあり、その中でもこれはクリーンでほのかに烏龍茶の香りも特徴なので、和食にも合う。そこに松茸の旨味と香りを5日間ほどかけてインフューズし、米感のしっかり残る日本酒「白鶴」、山椒やゆずの香りが効いた「白兎ジン」も加えた。仕上げに酸味と塩気を足すのに大根のお漬物、松茸の佃煮から少しだけ醤油の甘じょっぱさも加えた後、お好みでゆず七味を一振りしても良し。どことなく松茸ごはんを思い出すような一杯に。

スピリッツフォワードなカクテルがお好きな方(特にダーティーマティーニ)におすすめ。

ギブソンのこともう少し詳しく知りたい人はこちら

https://ja.wikipedia.org/wiki/ギブソン_(カクテル)

https://ja.wikipedia.org/wiki/ギブソン_(カクテル)


Recipe

松茸 ‘’ギブソン’’
37.5ml ジン(クリーンでシトラス感が控えめタイプがおすすめ)
15ml 日本酒 (甘めの日本酒がおすすめ)
7.5ml 白兎ジン
1 bs(バースプーン) 大根のお漬物の汁
ゆず七味をお好みでひとふり
ガーニッシュ:大根の浅漬け&松茸の佃煮

作り方

全てを液体をミキシンググラスにいれ、しっかりとよく冷えた氷で30秒から50秒混ぜる。水っぽくしないためには最初の30秒で液体の温度をマイナスにまで持っていくとよい。ただし強いマティーニが苦手な方には、少しダイリューションをさせても松茸の旨み失うことはないので、最終的にはお好みに合わせて調整してほしい。

Matsutake Gibson 
1.25 oz Matsutake infused Iron Budda gin*
0.5 oz hakutsuru sake 
0.25 oz  hakuto gin 
1 bs daikon pickled juice* (bs = Bar Spoon)
yuzu shichimi (option)
Garnish: Picked daikon& Tukudani matsutake *

Direction
well Stair with good amount of cold ice.
(don’t be shy need to be good cold and not too much dilution)
until temperature around -3°c
*1Matsutake infused Iron Budda gin
60ml -Iron Budda Gin (Raincity Distillery ) 
5g-松茸
薄くスライスした松茸を5日間漬け込む。

*自家製大根のお漬物 (参考レシピ:https://cookpad.com/recipe/2570586

*松茸の佃煮(参考レシピ:https://matsutakemura-sera.com/2022/07/15/tukudani/


よく冷えてとろっとした液体になったら完成。


こちらは秋の松茸狩りの様子。カナダからカリフォルニアにかけての北米西海岸では白松茸がよく取れる。この松茸は日本にも輸出が盛んで、日本のスーパーで北米産の松茸を見かけたこともある人も多いと思う。カナダのレストランやアジア系のスーパーでも取引されているのをみかけるが、あまりこちらではには好まれない香りなのかそんなに人気がある感じはしない。(松茸と良くあう食材が限定的なのが原因にあると思う)納豆が好きなうちの妻でさえ、松茸の香りには不思議な顔をしていた。僕は松茸ご飯をたっぷり堪能できました。